【初めてでも怖くない!】ふるさと納税の寄付金控除を確定申告で申請する方法を解説

本記事では、ふるさと納税にかかる寄付金控除を確定申告する方法について、筆者の状況(会社員で1社のみに勤務、扶養家族なし、医療費控除なし、住宅ローンなし)を例に解説しています。確定申告で必要となる申告内容は個人ごとに変わり、本記事の内容だけでは不足する場合がありますので、ご注意下さい。

目次

はじめに:私が確定申告をすることになったきっかけ

確定申告 と聞くと、難しい・個人事業主の人がやることなので自分は関係ない というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。私も最初そう思っていたのですが、2年前の転職時に会社での年末調整が間に合わず、初めて確定申告をしました。

実際にやってみると、思っていたほど難しくはなく、手元の源泉徴収票を見ながら、数値を間違えないように入力していくことで、躓くことなく最後まで終えることができました。

そこで気付いたのは、ふるさと納税も、ワンストップ特例制度を使うのではなく、確定申告した方が楽ではないか?ということです。私は毎年ふるさと納税をしているのですが、確定申告せずに済むワンストップ特例制度を利用していました。

ワンストップ特例制度は、申請用紙を用意するのが結構めんどくさい

寄付先が5自治体までなら、申請用紙に必要事項を記入して送ることで税金の控除が受けられるワンストップ特例制度ですが、用紙を用意するのが面倒でした。

大抵の自治体は、寄付証明書と一緒にワンストップ特例申請書が送られてきます。そこに氏名・住所などを書くところまでは大した手間ではないのですが、マイナンバーカードのコピーを貼り付ける必要があるのと、返信用の封筒は、A4の紙を線に従い折って作るようになっています。(だいたいどこの自治体も、この折り紙スタイル)

この作業を5自治体分やると結構な時間がかかるので、なんとかならないかと思っていたところでした。

ふるさと納税を確定申告するメリット

まず、確定申告することで、上述のワンストップ特例申請は不要になるので、憎き折り紙作業から解放されます。(折り紙作業よりも、確定申告の作業の方が簡単です。)そして、5自治体までという制約もなくなるので、寄付先の自由度がアップします。

また、確定申告を経験することにより、自分の税金がどのように決まって行くのか体感できるので、節税方法や効率的な資産形成方法への意識が高まることが期待できると思います。

確定申告の手順

本記事は、2025年2月23日現在(2024年分の確定申告)のe-Tax(税金申告システム)の画面を使って、手順を説明しています。毎年少しずつ画面が変わることが予想されますが、いきなり大きく仕組みが変わることは考えにくいため、翌年以降の確定申告でも参考になると思います。

用意するもの・調べておくこと

確定申告を始める前に必要なものを以下にまとめました。寄附金控除に関する証明書以外のものは、事前に準備した上でこの先の手順に進んで下さい。

※寄附金控除に関する証明書は、後述の手順1の中で入手方法を解説します。前提として、楽天ふるさと納税を利用している場合の手順を説明します。(利用するサービスによって、電子証明書の入手方法が変わります。)

用意するもの・調べておくこと補足
マイナンバーカードマイナンバー通知カードでは不可です。
マイナンバーカードの暗証番号カード発行時に自身で決めているものです。
NFC(ICカード読み取り機能)付きスマートフォン最近のiPhone、Androidスマートフォンならば、全部付いています。
源泉徴収票勤務先からもらえます。
寄附金控除に関する証明書(電子証明書)※楽天ふるさと納税サイトから入手します。後述の手順1の中で、入手方法を解説します。

手順1 寄附金控除に関する証明書(電子証明書)の入手

寄附金控除に関する証明書 というのは、ふるさと納税した履歴が全自治体分記録されたデータです。これをe-Tax(確定申告をするシステム)でアップロードすることで、寄付をしたことが証明できます。

証明書を入手するには、楽天ふるさと納税サイト(https://event.rakuten.co.jp/furusato/)へアクセスします。

確定申告の時期になると、「確定申告予定の方へ 寄付金控除に関する証明書 電子発行申請受付中」というボタンが現れるので、こちらを押します。

2024年まで、電子証明書を入手するには、申請をしてから数日待つ必要がありました。しかし、楽天のページに記載の通り2025年からは即時発行が可能になり、とても使いやすくなりました。(楽天さんGood!)

ここで、電子証明書の入手方法は、マイナポータル連携をする方法 と 証明書データを直接ダウンロードする方法がありますが、今回は、直接ダウンロードする方法で解説します。

※私が初めて確定申告したとき、マイナポータル連携を試したところ、マイナポータル側の設定が影響していたのか、うまく連携できませんでした。初めての方には、できるだけ躓いてほしくないので、より確実な方法で紹介します。

「証明書データ取得ページへ移動する」を押します。

楽天IDでのログインを求められるので、ログインして下さい。

寄付をした年が表示されているはずなので、証明書の「ダウンロード」ボタンを押します。
(今回は2024年に寄付した分の証明書をダウンロードします。)

すると、「寄附金控除に関する証明書_楽天ふるさと納税_2024.xml」という名前のファイルがダウンロードされます。これで、証明書の入手は完了です。

手順2 e-Taxで申告の開始 &利用者登録(初回のみ)

オンラインで確定申告をするには、e-Taxを利用します。e-Taxは国税庁が用意している、オンラインで税金の申告をするためのシステムです。

e-Taxを利用するにあたり、推奨環境があるようです。推奨環境ではない場合、e-Taxの画面の最初でメッセージが出てきますが、Windowsなら Microsoft Edge か Google Chrome、Macなら Safari が推奨環境ですので、違うブラウザを使っている場合はここで切り替えておくのが良いです。
(厳密には、ブラウザのバージョンも指定されています。私はMacのSafariでアクセスしたところ、Safariのバージョンが推奨環境ではない と表示されました。しかし、先に進むことはできて、最後まで問題なく操作できましたので、途中でエラーになったりしない限りは、そこまで気にしなくて良いかと思います。)

Googleで、「e-tax」を検索します。検索結果の一番上に出てくると思うので、それを開きます。

上のタブで、「個人の方」を選び、「確定申告書などの作成はこちら」を押します。

国税庁 確定申告書等作成コーナー というページが開きますので、「申告書等を作成する」セクションの「作成開始」を押します。

続いて開く画面で、
・マイナンバーカードをお持ちですか:はい
・マイナンバーカード読み取りに対応したスマートフォン又はICカードリーダライタをお持ちですか:はい
を選択し、認証方法の選択 で、「スマートフォンを利用する」を押します。
※ICカードリーダライタは、パソコンにUSB等で繋いで使用する専用機器なので、持っている方は極稀だと思います。

私の場合、ここで推奨環境ではない旨のメッセージが出ましたが、気にせず「このまま次へ進む」を押しました。

続いて開く画面では、一番左の「所得税」を選択します。(ふるさと納税の申告は、寄付金控除に該当します。)

次の画面では、マイナポータル連携を利用するかどうかを選択します。冒頭で示した通り、今回は連携しないパターンを説明しますので、「連携しないで申告書等を作成する」を選択し、次へ進む を押します。
(マイナポータル連携をするには事前準備の設定の作業が増えてしまうことと、ふるさと納税分の申告だけならば、連携しなくても手間はほぼ変わらないため、手順をシンプルにする方を優先しました。)

スマートフォンに、マイナポータルアプリをインストールするよう、指示が出ますので、QRコードからアプリストアにアクセスし、インストールします。終わったら、「利用規約に同意して次へ」を押します。

画面にQRコードが表示されるので、先ほどスマーフとフォンに入れたマイナポータルアプリを起動し、「読取り」モードにして読み取ります。

QRコードを読み取ると、マイナンバーカードのパスワード(数字4桁)を求められるので入力後、マイナンバーカードをスマホに当てて読み取ります。カードを読み取るときに当てる位置は、機種にもよりますが、スマホの真ん中より上側(頭の方)に当てると認識しやすいと思います。下記画像も参考にしてみて下さい。

読み取りが成功したら、パソコンの画面を見ると、表示が切り替わっているはずです。

ここで、私の場合は昨年以前にe-Taxの利用者登録が済んでいたため、登録済みの氏名・住所・電話番号・提出先税務署等が表示されました。初めて利用する方は、利用開始のための手続きを求められると思いますので、そちらに従って名前などの登録を行って下さい。
こちらからも、利用開始の手続きができます。

手順3 ふるさと納税データのアップロード

xmlデータの読込 という画面が出てきますので、「ファイルを選択」を押し、手順1で入手した ふるさと納税の証明書データをアップロードします。アップ完了したら、「次へ」を押します。

手順4 申告する所得の情報を入力

申告する所得についての入力を求められるので、自身の状況に合わせて入力していきます。一般的な会社員(勤め先は1社のみ)の場合、申告する所得の選択 では、「給与」のみ。源泉徴収票は1枚のみ、勤務先での年末調整は済んでいる で回答することになると思います。

手順5 源泉徴収票の内容を入力

続いて、源泉徴収票の内容を入力していきます。入力欄がたくさんあって難しそうに見えるかもしれませんが、手元の源泉徴収を見ながら、そこに書いてあることをそのまま入力するだけなので全然難しくありません。e-Taxの画面でも、源泉徴収票のどの欄の数値を入れれば良いか図で示されているので、わかりやすくて親切です。

入力終了 を押すと、その他の所得を入力できる画面になります。ここまでの入力で、給与所得 と 寄付金控除(ふるさと納税の申告)部分が 入力あり と表示されています。その他の所得・控除の申請がなければ、「次へ」を押します。

手順6 税金の計算結果の確認

これまで入力した情報を元に、最終的な税金の計算結果が表示されます。一番上には還付される金額が表示されています。(還付金=ざっくり計算で毎月1年間払った金額から、正確な税金額を差し引いたもの)

表示される項目を眺めると、自分の払う税金がどのように計算されていく過程が見えるので勉強になると思います。(各項目の意味を理解するには、FP3級の内容を勉強をするのがオススメです。)

手順7 その他項目の入力

還付金の受取方法を選択します。公金受取口座(マイナポータルで登録できます。)が登録されていれば、新たに口座番号等を入力する必要がないので簡単です。

通知方法は、お好みですが、ペーパーレスで確認できる電子国府がオススメです。

続いて、該当する項目があればチェックを入れます。

続いて、氏名・電話番号・住所等を入力する画面が出ますが、最初に利用者登録したときの情報が最初から入力されているはずです。内容に間違いないか確認して、「次へ」を押します。

続いて、マイナンバーを入力します。

手順8 申告内容の送信

これまでの入力により、確定申告の申告書が作られます。「申請書等を表示する」を押して、PDFを開いて内容を確認します。とはいえ、ここまで入力した内容が反映されているだけなので、申告書はざっと確認する程度で大丈夫だと思います。

続いて、該当する項目があれば入力します。多くの人は、特に記入することは無いと思います。マイナンバーカードの認証方法 は、スマートフォン(QRコード)を使用 を選択します。そして、「次へ」を押します。

昨年確定申告したときは、このタイミングで再度マイナンバーカードをスマートフォンで読み取る必要があったと思うのですが、今回は読み取りを求められませんでした。e-Taxが改良されて、手順が省略されたのかなと思います。

次の画面では、「送信する」→「送信を実行する」を押します。これで確定申告のデータが税務署へ送られます。

送信完了のメッセージが出ればOKです。

手順9 送信後の確認

送信した内容の確認画面が表示されますので、「送信票印刷へ進む」を押します。

「申告書等を表示する」を押します。表示されるのは、データの送信前に確認したものとほぼ同じなので、ざっと確認する程度で良いと思います。

「税務署に提出が必要な書面がある場合がありますので」と書かれていますが、ふるさと納税の申告をするだけならば、税務署に提出必要な書類はありません。確認が終わったら「次へ」を押します。

ついに最後の画面です。送信後の作業として、今回入力したデータをダウンロードして、来年の確定申告で利用することができます。ただ、慣れてしまえばそんなに大変な作業ではないので、私はダウンロードせずに終わっています。アンケート回答も任意なので、回答せずに終わっても問題ありません。

まとめ

ふるさと納税の申告をするための確定申告の手順について解説しました。手順を記事にすると結構長くなってしまいましたが、作業内容は、自分の指名や住所の入力であったり、源泉徴収票の内容をそのまま入力するだけであったり、決して難しくないものです。一度経験すれば来年以降は勝手が分かるので、もっと早くできるようになり、ワンストップ特例申請の折り紙をするよりも断然早くなります。

また、手順の説明の途中でも触れましたが、自分の払うことになる税金がどのように計算されているのか、ふるさと納税したらそれがどのように税金の計算に反映されるのか、確定申告を経験することでとても勉強になります。結果として節税意識・お金に対するマインドが高まって、収入アップや貯蓄額アップにつながることも期待できると思いますので、ぜひチャレンジしてみてもらえたらと思います。

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この記事を書いた人

1990年生まれ、男性。
新卒で電機メーカーに就職し、組み込みソフトエンジニアとして7年勤務。
2022年に転職し、現在は金融サービスの企画・プロダクト開発に従事中。
エンジニアとしての経験や、現在の仕事の中で身につけた金融の知識・仕事のテクニックや、技術系の情報、その他生活の中で得た経験を元に、ブログ読者の方の参考になる記事を書いていきたいと思っています。

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